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産後から腰と姿勢が戻らない気がする方へ|原因は「骨盤」だけじゃないかもしれません

2026/07/31 お役立ちブログ

「産後、腰がつらいのがずっと続いている」
「体重は戻ったのに、姿勢だけ元に戻らない気がする」

お子さんが1歳になっても、3歳になっても、なんなら10年経っても——そう感じている方は少なくありません。

産後の不調というと「骨盤が開いたから」とよく言われます。もちろん、産前産後で骨盤まわりが変化するのは事実です。ただ、それだけで説明してしまうと、大事なところが抜け落ちてしまうと考えています。

今日は、私が体を見るときの視点でお話しします。

妊娠中、体には何が起きていたか

まず、妊娠中の10ヶ月を思い出してみてください。

お腹が大きくなるにつれて、体の重心はどんどん前に移動します。倒れないように、体は自然と上半身を後ろに反らせてバランスを取ります。このとき、腰の筋肉はずっと踏ん張り続けています。

同時に、足元が見えづらくなり、歩き方も変わります。大きく蹴り出すような歩き方はしづらくなり、歩幅は小さくなる。運動量も自然と落ちていきます。

つまり妊娠中は、お尻や太ももの裏といった大きな筋肉の出番が減り、その分の仕事が腰に集まっていた期間なんです。

産後も、その状態のまま生活が始まる

そして出産。ここからが本題です。

産後の生活は、前かがみの連続です。抱き上げる、授乳する、おむつを替える、床のおもちゃを拾う。1日に何十回と繰り返されます。

このとき問題なのは、大きな筋肉の出番が減った状態のまま、いきなり重労働が始まることです。

腰の筋肉は、実は手首くらいの太さしかありません。もともと、そんなに大きな力を出し続けられる筋肉ではないんです。本来なら、前かがみの動作はお尻や太ももの裏が引き受けるもの。ところがその筋肉たちが仕事に復帰できていないと、細い腰の筋肉が毎日肩代わりし続けることになります。

産後の腰のつらさが長引く方に、私がよく感じるのはこの状態です。この「腰がメインで働いてしまう」状態については、なぜ腰痛は繰り返すのか|根本改善の考え方でも詳しく書いています。

「姿勢が戻らない」のも、同じ理由から

姿勢についても同じことが言えます。

良い姿勢は、胸を張って意識して作るものではありません。足がしっかり働くと、骨盤が自然といい位置におさまり、お腹の奥に力が入って、胸が勝手に開いてくる。 この順番で出来上がるものです。

産後に「姿勢が戻らない」と感じるとき、多くの場合は骨格が変な形で固まってしまったわけではなく、この土台の働きがまだ戻っていないだけです。

だから、胸を張って直そうとすると疲れるんです。肩や背中の大きな筋肉が頑張り続けることになるので、今度は肩こりや背中の張りが出てくる。「意識している間だけ良い姿勢」が続かないのは、意志が弱いからではありません。

足と姿勢のつながりについては、足が姿勢に関係あるって本当?|足から姿勢が変わる仕組みで仕組みからお話ししています。

大事なのは、産後何年経っていても変わらないこと

ここ、お伝えしたいところです。

「産後半年が勝負」「1年過ぎたらもう手遅れ」という話を聞いて、諦めている方がいます。でも、私が見ているのは骨盤が開いた閉じたではなく、足や下半身が働けているかどうかです。

働けていないのなら、それは今からでも戻していけます。お子さんが何歳でも関係ありません。

今日からできること:「腰から曲げる」を「股関節から動く」に変える

ひとつだけ、日常でできることをお伝えします。前かがみになるときの、体の折り曲げ方です。

床のものを拾う、お子さんを抱き上げる。このとき多くの方が、腰(背中)から丸めるように曲がっています。 そうすると、腰の細い筋肉が体重と荷物の重さを一手に引き受けることになります。

そうではなく、股関節から動く。お尻を後ろに引くようにして、腰の背骨はできるだけそのままの形を保ったまま、股のつけ根から体を折る。

この動きができると、お尻と太ももの裏(ハムストリングス)が勝手に働き出します。 「使おう」と意識する必要はありません。動き方を変えるだけで、担当する筋肉が入れ替わります。

そしてもうひとつ、大事なポイントがあります。

このとき、お腹に力は入りません。 むしろ、お腹に力を入れようとすると、体は腰から曲がってしまいます。「お腹に力を入れて腰を守る」と聞いたことがある方は意外に思われるかもしれませんが、前かがみの動作に関しては、私は逆だと考えています。

最初は「お尻や裏ももが働いている感覚が分からない」と感じるはずです。それが普通です。使えていなかった筋肉の感覚は、最初は誰も分かりません。でも、動き方を変えて繰り返していれば、必ず分かるようになります。

1回1回は小さな違いです。でも、抱っこも荷物の上げ下ろしも1日に何十回とあるのですから、積み重なると大きな差になります。

※ 産後の体の回復には個人差があります。痛みが強いとき、産後の検診で指摘を受けているときは、まず医療機関にご相談ください。

目指すのは「張っても戻せる体」

最後に。

「二度と腰が痛くならない体」は、残念ながらありません。抱っこも家事も毎日続くのですから、筋肉に負荷はかかり続けます。それは誰にでも起こることです。

目指したいのは、張っても、自分である程度リカバリーできる体です。

そのために見るべきなのは、腰そのものよりも、足や下半身が仕事に戻れているかどうか。産後から続くつらさは、体がサボっているわけでも、年齢のせいでもありません。まだ戻っていない働きがあるだけです。

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