トッピクス
TOPICS腹筋を鍛えれば腰痛は治りますか?|体幹は「支える」より「伝える」筋肉です
腰痛にも色々な症状があります。また、原因も人によって違います。
よくテレビやSNSで、腰痛があるのは腹筋が弱いから、背筋が弱いからと言っている人がいます。また患者さんからも、「体幹を鍛えた方がいいですか?」「腹筋をしたら良くなりますか?」と聞かれます。
ただ、腹筋・背筋は必要ですが、それが原因で腰痛になっている人は少ないです。
ここからは、私の現場での経験になります。
腹筋も背筋も、体の中では大変小さな筋肉です
私の中では、体幹の筋肉は動作をする上で、下半身の力を上半身に伝える、上半身の力を下半身に伝える、ための繋ぎの役目をする筋肉だと思っています。
あくまでも、動作の中でです。
腹筋・背筋が重要ではないと言っていません。体幹の筋肉も重要です。ですが、これらの筋肉が弱いから腰痛になるとは思っていません。
体の動かし方を知らないからだと思います。
例えば、前屈で腰が痛くなる人
前屈をした時に腰に痛みや張り感がある人は、腰から曲げて前屈の動作をします。そうすると腰の筋肉だけで上半身を支えるので、腰への負担が大きく、すぐに疲労して筋肉が張ってしまいます。
同じ動作でも、これを股関節から折れるようにすると、ハムストリングスやお尻の筋肉をメインで使うので、腰の筋肉への負担が全然減ります。
なので、この動作の方法を知らない人からすると、体幹を鍛えましょう、という考えになると思います。
この「腰から曲げるのか、股関節から動くのか」については、産後から腰と姿勢が戻らない気がする方へでも触れています。
別の例では
デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいることで、筋肉が一定の長さで固くなります。腰だけの筋肉じゃありません。股関節周りの筋肉もです。
これは体幹の筋肉の弱さではありません。アスリートでも、筋肉がしっかりした人でも、同じ動作をしていれば同じような症状になります。
また、椅子から立ち上がった時に腰が痛い人もいますが、この方達も一緒です。腰だけでなく、下半身・股関節周りの筋肉の収縮・弛緩が、この動作の時にスムーズにできなくなっているために起こることです。
なので、腹筋や背筋が弱いから腰痛になると言うのは、ほぼ間違いです。
最後に
腹筋や背筋を鍛えることが悪いわけではありません。ただ、腰痛のために頑張るのであれば、その前に見ておきたいことがあります。
体の動かし方です。
前屈も、椅子から立ち上がる動作も、毎日何十回と繰り返しています。1回1回の違いは小さくても、積み重なれば大きな差になります。逆に言えば、鍛える量を増やさなくても、動かし方が変われば腰の負担は減らせます。
ただ、どこがうまく使えていないかは、人によって全部違います。腰痛と一口に言っても原因はさまざまですし、そこは実際に体を診てみないと分かりません。
目指したいのは、二度と腰が痛くならない体ではありません。そういう体はありません。張っても、自分である程度リカバリーできる体です。
腰痛がなぜ繰り返すのかについては、なぜ腰痛は繰り返すのかで詳しく書いています。また、足と姿勢の関係については足が姿勢に関係あるって本当?をご覧ください。
※ 痛みが強いとき、しびれがあるとき、医療機関で指摘を受けているときは、まずそちらにご相談ください。