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TOPICSストレッチしても肩こりがすぐ戻るのはなぜ?|「伸ばす」だけでは足りない理由
肩がつらいとき、首をゆっくり倒して伸ばす。肩甲骨をぐるぐる回す。伸ばした直後は、たしかに楽になりますよね。
でも、夕方にはまた重くなって、翌朝には元通り。
「ストレッチって、意味ないのかな…」
そう感じたことのある方に、今日はお伝えしたいことがあります。ストレッチが無意味なわけではありません。ただ、「なぜ戻るのか」にはちゃんと理由があります。
肩こりの正体は「負荷のかかりすぎ」
まず前提から。姿勢が良くても悪くても、同じ筋肉に負荷がかかり続ければ、筋肉は張ります。張った状態が続くと、こりや痛みにつながる。これは誰にでも起こる、体の自然な反応です。
問題は、その張りを自分である程度リカバリーできるかどうか。ここが、すぐ戻る人とそうでない人の分かれ目です。
筋肉の「力の出し方」には2種類ある
筋肉は縮むことで力を出しますが、実は力の出し方には2種類あります。
- 縮みながら力を出す…荷物を持ち上げるときの腕の筋肉(求心性収縮)
- 伸ばされながら、耐えるように力を出す…荷物をゆっくり下ろすときの腕の筋肉(遠心性収縮)
肩こりで張っている筋肉の多くは、後者の「伸ばされながら耐える」状態です。
たとえばデスクワークで頭が少し前に出た姿勢。このとき首の後ろから肩にかけての筋肉は、伸ばされながら重い頭を支え続けています。この「耐え続ける」状態が何時間も続くこと——それが肩の張りの正体です。
だから「伸ばすだけ」では戻る
ここで最初の疑問に戻ります。
耐え続けて固まった筋肉を、ストレッチやマッサージでほぐすと、一時的に緩んで血の巡りが良くなり、痛みや重だるさは和らぎます。これはちゃんとした効果です。
ただ、この固まり方をした筋肉には厄介な性質があります。
弛緩(元の長さに戻ること)がしづらく、本来の仕事である「縮むこと」もしづらくなっているのです。
つまり、伸ばして緩めるだけでは、筋肉は「働ける状態」に戻っていません。だから時間が経つと、また同じ張りに戻ってしまう。ストレッチのやり方が悪いのではなく、届いていない部分が残っているだけなんです。
セルフケアのヒント:「伸ばす」だけでなく「縮める」
では、どうすればいいか。
固まった筋肉には、ストレッチだけよりも、「縮める」動きを入れてあげる方が効果的です。筋肉は、一度しっかり縮む(求心性収縮)と、そのあと緩みやすくなる性質があるからです。
やり方のひとつを挙げると、肩甲骨をぎゅーっと背中の真ん中に寄せて数秒キープしてから、ストンと力を抜く。「伸ばす」の前に「縮める→脱力」をひとつ入れるだけで、緩み方が変わります。
このとき、大切なポイントがあります。肩こりで張りやすい筋肉は、小さな筋肉です。小さな筋肉を動かすときは、動かしている部位に意識を置いて、ゆっくり・大きく動かすこと。そして、自分の可動域の範囲内で行うことです。
最初のうちは、小さな筋肉を意識するのは難しいと感じるはずです。最初からできる人は、ほとんどいません。でも、やれば誰でもできるようになります。
逆に、固まったまま放っておくと、縮む力はどんどん出しにくくなります。「伸ばすだけ」のケアが堂々巡りになりやすいのは、このためです。
目指すのは「張ってもリカバリーできる体」
最後に、大事なことをひとつ。
「二度と肩がこらない体」は、残念ながらありません。負荷がかかりすぎれば、誰の筋肉でも張ります。
目指したいのは、張っても、自分である程度リカバリーできる体です。筋肉が「縮む・緩む」という本来の働きを取り戻していれば、張っても短期間で回復できます。
ストレッチしてもすぐ戻るのは、あなたのやり方が悪いからでも、体質だからでもありません。筋肉がまだ「働ける状態」に戻っていないだけ。「伸ばす」に「縮める」をひとつ足すことから、始めてみてください。